エジプトのピラミッドの作り方は、その技術がスゴかった!
2017.8.31
エジプトのピラミッドは、その作り方にいまだ多くの謎があります。
当時の圧倒的な技術力の高さを示すピラミッド。世界中の考古学者たちの多くが魅せられる遺跡です。
どんな技術で、どうやって造られたのか。現在わかっているその方法と、有力な説などを紐といてみましょう。
スポンサーリンク
こんな記事もよく読まれています
-
日本人が宗教に無関心だと思ったら大間違い?日本人独自の宗教観
日本人は宗教に無関心。日本人は無宗教。そう耳にすることがあります。 毎日のお祈りや定期的に教会...
スポンサーリンク
記事の概要・目次
ピラミッドの作り方に見る古代エジプトの技術の高さ
巨大な建造物であるピラミッドは、巨石が積み上げられた構造をしています。大きさはもちろんですが、その重量も相当なもの。計算上、その重さは600~700万トンと言われています。
これだけの重量を支えるためには、その地盤が強固でなければ傾いたり、最悪崩れたりしてしまう可能性もあります。
地盤沈下や傾きもなく4500年以上の時を経ても荘厳な姿を保つピラミッド。強固な岩盤の場所を選び、より完璧な水平を測りながらの建設が必要です。
古代エジプト人は、岩盤に掘った溝に水を流し込み、その水面を目安に岩を削っていました。
また、建築に最も重要な距離を正確に計測する技術にも長けていました。円盤状の計測輪という道具を使い、誰が測っても正確に距離の計測ができたのです。
ピラミッドの建設は、古代エジプト人の数学や土木の技術がいかに優れていたかを示しているのです。
古代エジプトのピラミッドは時代によって作り方が違う
ピラミッドは作られた年代によって作り方に違いがあります。
初期に造られた、より古いピラミッドでは、石をわずかに内側に傾斜させていました。しかし、この構造では内側にかかる重量が大きくなり過ぎて、自重で潰れやすくなります。
次に水平に石を積み上げるようになりましたが、そうすると一個一個の石がより大きくなければ、上からの重さに耐えられません。
ピラミッドをより巨大に作ろうとする時代が過ぎ、やがてピラミッドは小型化していきます。内部の構造に石ではなく、日干しレンガなどを使用するようになり、巨大化が難しくなったためです。
その理由として、費用や工期の問題も考えられますが、それまでに作られたピラミッドにより入手しやすい良質な石材の確保が難しくなったことがありました。
やがてピラミッドは作られなくなり、替わって多く作られるようになったのは神殿でした。
一つの巨石から切り出されたオベリスクや、岩山を丸ごとくり抜いて作られたアブ・シンベル神殿などの建造物は、ピラミッドとは違う荘厳さを持っています。
古代エジプト人の技術は、数千年の歴史の中で着実に進歩していたのです。
エジプトの遺跡でもスフィンクスはピラミッドと作り方が異なる
エジプトの遺跡といえば、ピラミッドと並び有名なスフィンクス。一般的に知られている巨大なスフィンクスは「ギザの大スフィンクス」と呼ばれています。
その構造は、ピラミッドのように石を積み上げたものではなく、岩山を丸ごと削り出して造られたもので、頭部だけは別の場所で作られ取り付けられたと考えられています。
ギザの大スフィンクスが造られた理由は、ピラミッド同様、ファラオ(王)の絶対的な権力と権威を示すための物だったと言われています。
あれほど巨大な建造物は、長い時間をかけ、非常に多くの人員を使わなければ造ることができません。それを造らせることができるのは、強大な力を持ったファラオだけです。
国の内外に、ファラオの存在を誇示するための意味は大きかったでしょう。
スフィンクスは体はライオンで、頭部は人間です。この顔は、ファラオを模したもので、ファラオは神であることも示しているのです。
エジプトの三大ピラミッドには、いまだに多くの謎がある
ピラミッドの中でもスフィンクスと同じギザにある三つのピラミッドは「三大ピラミッド」と呼ばれ、特に有名です。
中でも「クフ王のピラミッド」は人類史上最も巨大な建造物とも言われ、建造当時の高さは146.59メートルもありました。(現在は138.74メートル)
これだけの作業には、時間と労力に加え高度な数学の知識と技術が必要です。人間が一番美しいと感じると言われる「黄金比」を使い、完璧なバランスによって築き上げられています。
これにより、美しさのみならず堅固な安定感で数千年の時を耐えることができているのです。
以前は、奴隷などの強制労働によって造られたと考えられていましたが、その後の発掘で作業員の勤務表と思われる石板が見つかっています。現在では、一定の報酬や休日を与えられた労働者が作業に当たったと考えられています。
このギザの三大ピラミッドは、その微妙な位置関係が冬の星座として名高い「オリオン座」と配置が酷似していることがわかっています。
古代エジプトの冥界の神が宿ると信じられていたオリオン座の配置を模したと思われますが、まだまだ解明されていない謎があるのです。
エジプトのピラミッド建造に費やされた古代の人々の情熱
重機などあるはずもない古代のエジプトで、ピラミッドのような巨大な建造物を造る作業とはどんなものだったのでしょうか。
人力だけで平均で1個2.5トンとも言われる巨石を数百万個も積み上げるのです。
機械が無かった時代に、重い物を運搬するには丸太などを使った「コロ」を使うことがあります。しかし、巨石を運ぶとなると木材を大量に浪費することになります。当時のエジプトでは、木材は貴重であったことを考えると、この方法は難しいと言えます。
運搬には、ソリを使い人海戦術で運搬したことでしょう。
石を高く積み上げる方法に関しては、これまでもさまざまな説が唱えられてきました。
以前は、ピラミッドに続く長いスロープを造って、高さが増すごとにスロープの高さと傾斜を長くしたのではないかと言われていました。
最近、有力な説では、ピラミッドの外側に近い内部に傾斜のある通路が造られていたと考えられています。
古代エジプトは、その歴史のほとんどの時期で太陽神ラーを信仰し、ファラオは神と同じ考えられました。
神への信仰と絶対的なファラオの権力が、あれだけ巨大な建造物を造らせたのでしょう。古代エジプトの人々は、現代に生きる私たちとはまったく違う意思や情熱を持って生きていたのかもしれませんね。
- 芸術・文化・歴史