職場でアスペルガーの人への具体的な対応について
2017.8.22
職場で一緒に仕事をしていて、なんとなく違和感のある同僚や上司、部下はいませんか?冗談が通じなかったり、できる仕事とできない仕事の差が激しすぎたり、急に怒り出したり…もしかするとその違和感は、アスペルガー症候群の症状によるものなのかもしれません。
「アスペルガー症候群」とは、脳機能の障害により、コミュニケーションをとることができなかったり、健全な対人関係を築けなかったり、特定のモノや、やり方に異常なほどの執着やこだわりを見せたりする人のことです。
知的な遅れがないため、周りの人は「変わった性格の人」や「KY」などと、性格の問題ととらえてしまいがちです。
当の本人もどうして相手が怒っているのかが、わからずに悩んでいるのも事実なのです。ですが、向いている職種や仕事内容だと素晴らしい才能を発揮します。
アスペルガー症候群の方に向いている業務や指示の出し方などの対応策をまとめました。参考にしてみてください。
スポンサーリンク
こんな記事もよく読まれています
-
初産は予定日を超過しやすい!リラックスして赤ちゃんを待とう!
初産の場合、赤ちゃんが産まれてくる予定日よりも遅れて産まれてくることがあります。 初めて出産を...
-
産後の入院中に寂しいと感じる理由はどんなこと?その気持ちとは
産後の入院中に無性に寂しくなる時がありますが、それはどんな理由があるのでしょうか? それはホルモン...
-
子供が風邪をひく頻度には違いがあった!免疫力が大事なんです!
保育園や幼稚園、学校など多くの人が集まる場所では何かしらの病気がうつってしまいますね。 子供が...
スポンサーリンク
記事の概要・目次
職場でアスペルガーだと思われる人への対応
アスペルガー症候群の方に出す、指示の仕方があります。まず、「具体的な指示」をするということ。「何月何日・何時までに・○○を○○すること。出来上がったら○○に提出すること」
いつ・何時までに・どんなことをするのか小学1年生の子供に言うように、指示をしないと伝わりません。これはアスペルガー症候群の方が「聞いたことを想像する」と言うことができないからです。
仕事が見えないのは無能な訳ではなく「見えない」または「見えにくい」と言う脳機能の問題によるものなのです。
また、仕事を途中でチェックすることも忘れないでくださいね。これでいいのか?悪いのか?などと考えながら仕事をすることが苦手だからです。「そのくらい、言われなくてもわかるだろう!」と言うことが、言わないと本当にわからないのです。
作業内容については「紙に書いて渡す」と言うことも大切です。口頭のみで指示することはやめましょう。
職場で一緒に働くアスペルガーの方に対してしてはいけない対応
「○○をして、○○で、あとは適当に」こういった指示は絶対にしてはいけません。「あとは適当に」ができないからです。仕事の進み具合によって、AになるのかBになるのかが、わからないのが仕事ですよね?
ですが、そういった判断をくだすことができません。ですから、仕事は作業マニュアルがあるような業務や、タイムスケジュールがしっかりと決められている業務に向いています。
一緒に仕事を進めるのだから、コミュニケーションは必要だと思いがちかもしれませんが、アスペルガー症候群の方は、相手の気持ちや考えをくみ取ることができずにパニックになってしまう事もあります。ですから、あえて口頭で指示せずにメールやチャットワークで具体的に指示をするようにする方が、相手を混乱させずに済むかもしれません。
職場でアスペルガーの方が仕事をしやすいように対応してあげよう
アスペルガー症候群の方に向いていると言われる業務はどんなものでしょうか?
・形があるものを取り扱う
・規則性や法則性が高く、作業マニュアル通りに進めなければならない仕事
・臨機応変な対応が求められないもの
・多くの人と関わり合いながら意見を出し合ってセッションなど不要な仕事
・単純作業
・自分の世界に入って進められる作業
アスペルガー症候群の方がみな一様にそうだとは言い切れませんが、このような作業や業務に比較的向いていると言えるでしょう。逆に向いていない仕事や作業は次の通りです。
・コンビニエンスストアやスーパーなどのレジ係
・複数の業務を同時進行で進める仕事
・飲食店などでの接客業
・イレギュラーな対応を迫られ、判断し、決定する仕事
・クレーム対応
・営業職
「コミュニケーション能力はない」と思って接した方がよいでしょう。失礼な言い方に聞こえるかもしれませんが、社交辞令や言葉の裏を読むなんてことができないのが、アスペルガー症候群の特徴の一つだからです。人によっては名前を呼ばれても自分のことだとわからない症状の人もいます。仕事に関してはこの点を踏まえて指示するようにしましょう。
アスペルガー症候群の特性をよく理解して接するようにしましょう
人間は失敗や経験から学ぶものですが、アスペルガー症候群の方にはそういったことはありません。ですから、相手をこちらに合わせるのではなく、相手をよく知り、こちら側がその特性に合った仕事をさせると言うのが、基本的な仕事の進め方になります。また、ミスをしても絶対にそのことを責めたりしてはいけません。
アスペルガー症候群の方は「ミスをした」ことと「注意される」ことと「上司が怒っている」ことを一緒に考えることができないからです。注意する方は、ミスをしたからそのミスを注意しているのかもしれませんが、アスペルガー症候群の方からすると、どうして怒られているのかがわからないのです。
相手に理解を求めるのではなくこちらがアスペルガー症候群を理解して接しよう
脳の機能に偏りがあるためであって、本人に悪気があるわけではありません。そして、本人は頑張っているつもりなのにどうして周りから怒られるのかが本当にわからないのです。良好な人間関係を築きにくいため孤独になりやすいことも。
「大人なんだからこのくらい」や「さっき言ったよね?」「昨日やったみたいにやって」「いちいち言わないとわからないの?」「何回もやってることだよ」こういう表現は伝わりません。アスペルガー症候群はここ10年くらいで認知されてきた発達障害の症状です。どちらかと言うと知能が高く学校の勉強はできる方です。
ですから、社会性のなさやこだわりの強さは性格だと思われ、周りも接してきたことでしょう。なので本人が自分はアスペルガー症候群であることを知らずにいることがあるかもしれません。その症状をはっきりさせたところで仕方ありませんから、こちら側が理解して接することが一番かと思われます。
- 医療・健康