自閉症と知的障害(重度)を併せ持つ人への適切な支援方法
2017.9.3
自閉症の患者には、重度の知的障害を併せ持つことがあります。
そのような重度知的障害を伴う自閉症の人には、どのような支援をしてあげるのが良いのでしょうか?
また、知的障害が重度の場合の特徴についてもご紹介致します。
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記事の概要・目次
重度知的障害を併せ持つ自閉症児におけるパニック対処法
重度知的障害を併せ持つ自閉症児の場合、自分の頭を自分で叩くなどの自傷行為や他人に手を出してしまったり、物を壊してしまうような他害行為をしてしまうことがあります。
しかし、それらの行動には全て理由があるのです。
その理由が解っているときは、それによる対処の方法を考えることで支援の方法を考えることができるでしょう。
ただ、その理由がなかなか解らないときもあります。
重度知的障害を併せ持つ自閉症児には、言葉を話せない、意思を伝えることあができない子がいます。
そのような子の場合、その伝わらないことでイライラしたり、強いストレスを抱えることが多いのです。
その子によっては、それぞれパニックになる理由が違ってきます。
怒られることで、それを理解できれば良いのですが、それが逆効果になるときもあります。
なので、その子に合った対処法をしないと、ますますそれがひどくなってしまって、本人もツライ思いを続けることになるので気を付けましょう。
重度の知的障害を伴う自閉症とは?
自閉症の患者には、知的障害を伴うことが多くあります。
そして、自閉症も知的障害も症状は似ているところが多くあるのです。
知的障害者のうち、重度の知的障害障害者は4%占めています。
IQは20~35くらいで、言語能力や知能に遅れがあり、精神年齢は幼児や未就学児くらいです。
自立のための訓練をすることで、ある程度は自分でも食事や排せつなど身の回りの世話ができるようになります。
しかし、誰かの保護や介助は常に必要であり、成人になると専門の施設などへ入所することも多いでしょう。
自閉症の中でも、知的障害を伴わない自閉症もあります。
アスペルガー症候群と呼ばれ、高機能自閉症の中でも言葉の遅れがありません。
アスペルガー症候群は、他人の気持ちなどを読み取ることができず、そのまま受け答えなどをしてしまうため、周りからは少し違った存在と思われがちです。
ただ、大人になってからも気づけれない場合もあるようです。
重度の知的障害を伴う自閉症児に有効的な支援方法とは?
重度の知的障害を伴う自閉症児には、混乱をさせないためにも適切な支援を行わなければなりません。
例えば、本人が次は何を行うのか見通しを持てるように、しっかりと伝えることは大切です。
そして、何かを伝えるときは、ゆっくりとした口調で目を合わせて伝えましょう。
場面の転換を図るときは、ゆっくりと無理なく行い、その子のペースに合わせてあげましょう。
また、しつこくするようなことは避けましょう。
集団で行動するときも、一対一の関りを大切にしましょう。
シンプルでわかりやすい動線を心がけましょう。
パニックが起こってしまう前には、手を握ってあげたり、大好きな歌を歌ってげたりするのは有効でしょう。
また、パニックが起こってしまったときに、言葉だけで注意したり、無理に集団に参加させようとすることは逆効果になってしまうので、気を付けましょう。
自閉症が原因となって、知的障害になることもある
知的障害とは、言語の発達が遅れるなどの知的機能の障害です。
それぞれ一人一人に差はありますが、日常の生活や社会への適応が難しいこともあり、その等級によっての支援や、学び、対応などが必要になってきます。
昔は、「精神薄弱」や「精神遅延」などと呼ばれていたこともありました。
知的障害になる原因は様々であり、出産時による脳の圧迫や酸素不足などトラブルが原因の場合もあります。
また、乳幼児のときの高熱による後遺症や脳炎による後遺症により知的障害になってしまうこともあるそうです。
そして、染色体の異常や自閉症が原因になる場合もあります。
ですから、両親からの遺伝や兄弟だから知的障害になるということはありません。
様々な理由によって、発症しているのです。
重度の知的障害にみられる特徴について
重度の知的障害とは、IQは20~35くらいで、言語や運動能力や知能に遅れがあります。
また、情緒の発達も未熟であり、自分で身の回りのことをするのは難しいため、日常の生活において保護や介助が必要になります。
特徴としては・・・
・着替えや入浴、食事などの日常生活に指示や介助が必要
・人とのコミュニケーションが苦手で、挨拶や受け答えもあいまい
・汚いことに気づかず、体が汚れていたり、服などが乱れていることに気にしない
・一人で移動することが難しい などです。
さらに、最重度の知的障害とは、IQは20以下になります。
叫び声は出しても言葉に発達することはなかなかありません。
また、身の回りの処理を自分ですることができず、他人と自分の親を区別して認識することもできない場合もあります。
特徴としては・・・
・自分で着替えができない
・便意を伝えられず、介助が必要
・言葉がなく、ジェスチャーなどにより意思表示することもあります。
・食事も介助が必要 などです。
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